公表論文:Johnson & Johnson Innovative Medicine は日本で患者中心のインテリジェンスをどのように活用し肺動脈性高血圧症の治療が進歩していることを理解したか

Johnson & Johnson Innovative Medicine Asia Pacific と Prospection が行った最近の共同研究では日本で患者中心のインテリジェンス(PCI: Patient-Centric Intelligence)を利用し、肺動脈性高血圧症(PAH)におけるエンドセリン受容体拮抗薬(ERAs;マシテンタン、ボセンタン、アンブリセンタン)の治療パーシスタンスを評価しました。

肺動脈性高血圧症(PAH)の治療においてアジア各国におけるエンドセリン受容体拮抗薬(Endothelin Receptor Antagonists: ERAs;マシテンタン、ボセンタン、アンブリセンタン)の相対的な有効性に関する理解はしばしば限定的なものでした。そのため Johnson & Johnson Innovative Medicine(J&J、旧ヤンセン) Asia Pacific は、日本でのマシテンタンの承認(2015年)前後を対象としてこれら ERAs による治療のパーシスタンスを評価する研究を実施しました。

Prospection との共同作業を通じ J&J のチームは日本で患者中心のインテリジェンスを活用し、マシテンタンによる治療におけるコンプライアンスとアドヒアランスについて理解しました。大村らにより実施されたこの研究の結果は Pulmonary Therapy 誌に最近掲載されました。「日本の肺動脈性高血圧症患者におけるエンドセリン受容体拮抗薬による治療パーシスタンス及びコンプライアンスの比較:保険請求リアルワールドデータベースを用いた研究

この論文全文は Springer Link へのオープンアクセスによりダウンロード可能です。以下は論文の要約です。

方法:

我々は2008年4月から2020年11月までの期間における日本の Medical Data Vision の保険請求データベースのリアルワールドデータを使用しました。PAH の患者をデータセットから特定しました。日本でのマシテンタンの承認前後における ERA による治療におけるパーシスタンスは、検討対象となる ERA による治療の開始から中止または死亡までの期間と定義しました。治療グループ間で交絡因子の影響を最小化するために傾向スコアの調整を適用しました。

結果:

マシテンタン承認前のコホートでボセンタンは153人にアンブリセンタンは51人に投与されていました。マシテンタン承認後のコホートでマシテンタンは331人にボセンタンは284人にアンブリセンタンは91人に投与されていました。アンブリセンタン投与患者とボセンタン投与患者におけるパーシスタンスの未調整の中央値はそれぞれ19か月と10か月でした(調整後 HR 0.87 [95% CI 0.61–1.24];P = 0.434 [ボセンタンを基準として])。マシテンタン承認後のコホートではマシテンタン投与患者におけるパーシスタンスの未調整の中央値は18か月であったのに対しアンブリセンタン投与患者とボセンタン投与患者においてはそれぞれ6か月と8か月でした。アンブリセンタンとボセンタンの調整後 HR はそれぞれ1.48 (95% CI 1.12–1.95;P = 0.006) および 1.63 (95% CI 1.30–2.04;P < 0.001 [マシテンタンを基準として]) でした。

結論:

リアルワールドデータにより日本の肺動脈性高血圧症(PAH)患者においてマシテンタンの承認以後のパーシスタンスはアンブリセンタンとボセンタンよりも有意に高いことが示されました。

営業・マーケティングにおいてケアが意味するところ:製品担当リーダーがリアルワールドエビデンス(RWE: Real World Evidence)を活用する方法

この種の研究は日本での患者レベルの豊富なデータに裏打ちされており、重要な患者ケアとその営業・マーケティングにおける意義に着目しています。ライフサイエンス業界のお客様がこの種の RWE 研究を活用する方法の一部をご紹介します:

  • 治療戦略の形成:リアルワールドにおけるシナリオで長期のパーシスタンスを示すエビデンスは、薬剤を治療における有望な選択肢と位置付けることができます。このようなインサイトは、製品担当チームがマーケティング戦略を改善し、薬剤の有効性と患者のアドヒアランスを強調するために活用することができます。
  • マーケットアクセスの最適化:リアルワールドで薬剤の有効性を理解することは、マーケットアクセス戦略最適化への扉を開くことになります。Prospection の有する患者データ分析の専門性を通じ市場の状況を包括的に把握し、製薬会社が上市前にアンメットニーズを定量的に評価したり適応拡大の機会や市場での薬剤の受け入れを向上させるための患者集団を見つけたりすることが可能になります。
  • 製品の位置づけと差別化:競争の激しい市場で効果的に製品を位置づける能力は重要です。Prospection のデータ駆動型の(データに基づく)インサイトは、治療法を差別化するための堅固な基盤を提供します。例えば忍容性プロファイルが優れていることやパーシスタンスが長いことなどを強調することができます。これは重要な差別化要素となり得ます。
  • 協力する機会:製薬会社は Prospection の患者中心のインテリジェンスを利用することで病院や医療者とりわけ専門施設、専門医が所属するとして認識された施設、専門医個人との協力関係を強化することができます。RWE(リアルワールドエビデンス)を治療における意思決定のガイドとして活用することで医療者は自身の治療内容を最新の研究内容に沿ったものとすることができ、患者中心のアプローチを促進し自身の専門分野での評判を高めることができます。
  • 患者アウトカムと長期的な成功:RWE 研究における結論として、リアルワールドすなわち日常診療において長期的にアウトカムが改善されることの影響を確認するために追加研究が必要であると示されることはしばしばあります。Prospection による長期的な患者データとアウトカムの継続的なモニタリングと分析は、製薬会社や医療者に対し治療の長期的な成功と忍容性に関する RWE を提供するという形で引き続き研究に貢献できます。

Prospection は科学的なインサイトをアクションへと結びつけることのできる営業・マーケティング戦略へと変換するための最先端で活動しています。患者中心のインテリジェンスにおける弊社の専門性がお客様と協力しながら進めるアプローチと相まって、医療者や製薬会社が患者ケアと市場シェアを向上させる支援をすることが可能となります。

このような RWE 研究が示唆するところは臨床における発見を超え、営業・マーケティング上の成功と患者アウトカムの改善のために幅広い機会を提供しています。Prospection との協力を通じ、製薬会社は治療の進化の道のりをしっかりと進むことができ、自社の戦略がリアルワールドで示されている薬剤の効果と確実に合致させることができます。

Prospection は10年以上にわたり製薬会社のアナリティクス及び営業・マーケティングチームにソリューションとサービスを提供してきました。同社独自の Patient-centric Intelligence Core は RWD をインテリジェンスに変換し、Prospection AI などの代表的な製品マネジメントプラットフォームを含むさまざまなソリューションの基盤となっています。

患者中心のインテリジェンスをビジネスの中核とする方法をご覧いただけます。ぜひお問い合わせください。

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