RWD そのものがインサイトというわけではありません−PCIが患者に対する理解に変革をもたらすのです

RWD そのものだけでは十分ではありません。真に患者を理解し意味のある改善を実現するには PCI が必要です。 RWD のみでは足りないとされる理由及び PCI が製薬会社に必要なインサイトを提供しながらそのギャップを埋めていく方法をご確認ください。

製薬会社はリアルワールドデータ(RWD: Real World Data)が自分達の意思決定プロセスにおける重要な要素であることを知っています。しかしRWDが潜在的に有する極めて大きな力の真の価値は、インサイトが実行可能なものへと変換されたときにのみ実現されます。RWD からインサイトへの変換は難しいものです。RWD の活用にはその背景となる情報が必要であり、その背景情報を適用するには追加のデータ、専門知識、リソースが必要です。ここで患者中心のインテリジェンス(PCI)が重要な役割を果たします。PCI はデータに基づきインサイトを提供できる情報であり、臨床上の背景と長期的なペイシェントジャーニーが考慮されています。これは RWD が変換されたものであり、事前の処理、解釈が加えられ、即座に利用できるよう強化されたものです。PCIは製薬会社が市場シェアや患者ケアを有意義に改善していくために、患者また治療の経過について迅速かつ効率的に深く理解できるような強力な手段を提供します。

RWD が保証することと制約事項

RWD は大きな力を潜在的に持っています。RWD を整理、ハーモナイズ、強化、解釈することにより、実診療の場におけるペイシェントエクスペリエンス、治療パターンおよびアウトカムに関する豊富な情報がもたらされます。このデータは EHR(電子健康記録)、保険請求データ、患者レジストリなど様々なチャンネルから入手することができます。RWDの分析を通じペイシェントジャーニーのより包括的な視点が提供され、比較臨床試験では明確にできないインサイトを導き出す能力が保証されます。

RWD を分析することの利点の一つとして製品上市後の期間を通じて一貫して役に立つということが挙げられます。販売データが主に販売数量に焦点を当てるのに対して、RWD は実臨床の場における薬剤の使われ方について、より微妙な差異も含めた理解を可能とします。理論的には RWD の分析により薬剤使用パターン、アドヒアランス、患者アウトカムなど販売数字だけでは把握できない情報を明らかにすることができます。例えば RWD の分析により特定の治療から恩恵を受ける可能性が高い患者のサブグループを特定したり、臨床試験中に明らかにならなかった潜在的な安全性シグナルを見つけ出すことができます。この情報は製薬会社がマーケティング戦略を最適化、患者支援プログラムを改善し、治療法の実診療における価値を保険者や医療者に示すために非常に有用なものとなります。

ただし RWD はそのままでは様々な制約があるためにここまで紹介した力を十分に発揮できないことになります。データが標準化されていなかったり、不完全であったり、適切な背景情報がなければ解釈が困難であったりという課題があります。これらの問題のおかげで特に転移性がんや希少疾患、免疫異常などの適応症ではより複雑な様相を呈します。レジメンや治療ラインなどペイシェントジャーニーに関し微妙なことまでわかる深い情報が必要な場合に特に困難なこととなります。また RWD はその量が膨大かつ内容が複雑であるため、その処理や分析においては大規模な作業を経て初めて有用なものとなり、その結果有意義なインサイトを生み出すことは製薬会社にとって困難なものになる可能性があります。そこで RWD の持つ力を実際のアクションへとつながるインテリジェンスに変換するために、より洗練されたデータマネジメントと分析のアプローチが必要とされるのです。

PCIの変革力

明らかなことなのかもしれませんが RWD の持つ力を最大限に引き出す方法はソフトウェアと先進的なコンピューティング技術を使用することにあります。膨大な量の複雑なデータを扱うことを考慮すると手作業での処理や分析(従来型の分析ツールを使ったところで)が不可能なことは容易にわかります。代わりにコンピューティング、人工知能(AI)および機械学習(ML)の力を活用して、RWD を実際のアクションへとつながるインサイトに変換するために必要な自動化、規模の拡大および再現性を実現すべきです。

これらの技術を活用することで製薬会社はデータのハーモナイゼーションと強化のプロセスを整備し、直接的に有用なインテリジェンスである PCI の作成において一貫性と効率性を確保することができます。このプロセスには複数のソースからのデータの統合、用語の標準化およびドメイン固有の知識を適用することによりペイシェントジャーニーを包括的な視点を持って作成することが含まれます。

たとえば Prospection の PCI Core は専用のアルゴリズムと機械学習モデルを使用して RWD のハーモナイゼーションと強化を図っています。このプロセスにはデータを共通のオントロジーにマッピングし、一貫性が欠如したデータを特定、修正、バラバラのデータポイントを関連付けることでペイシェントジャーニーから直接的に必要なものが見られるビューを作り出します。

Prospection の PCI Core は、Prospection のソリューションスイートの基盤となっており、製品担当マネジャーがペイシェントジャーニーに深く踏み込み、アンメットニーズを明らかにし、リアルワールドデータから得られるインサイトに基づく戦略立案を可能にしています。

PCI を活用した市場シェアの増加と患者ケアの向上

患者中心ということは製薬会社にとっては望ましいが野心的な目標とされるようです。しかし PCI を活用することでそれは現実のものとなるのです。真の患者中心のアプローチが実現できるのです。ここで重要なのはインテリジェンスにアクセスし吟味するための障壁を取り除くことです。PCI は2つのレベルでこれを可能とします。

1つ目はアナリティクスの専門家がクリーンで整理された意味のあるデータで作業できるようになることです。RWD を分析にかけられる状態にするには多くの場合多大な労力を必要とします。この負荷を取り除くことでアナリティクスチームはビジネス上の重要な課題に集中できるようになり、その結果自社ポートフォリオのパフォーマンスを大きく向上させることができます。

PCI がもたらす2つ目の画期的な効果はインサイトを特定、創出するためのインテリジェンスがそれらのインサイトを使う必要のある人達すなわち製品担当チームのもとへと迅速かつ容易に届けられるということです。このチームは市場や患者に関する深い知識を持っており、実診療における製品のパフォーマンスや実際のペイシェントエクスペリエンスの分析にその知識を活かす機会が生じることで、インサイトはより信頼できるものとなります。ブランドの実績や実際の患者体験を分析する機会を得れば、インサイトの精度は高くなります。Prospection AI は PCIへのアクセスを広げ、市場や患者の状況に精通した者にしか見つけられないような貴重なインサイトを発見できる力を営業・マーケティングチームに与えるアナリティクスプラットフォームの一例です。

このようにアナリティクスチームと営業・マーケティングチームに必要なものを備えることで、製薬会社は従来とは異なる戦略的意思決定を促すインサイトを引き出し患者アウトカムを改善することができます。患者のアンメットニーズを特定、治療パターンを理解し実診療の場における自社の治療薬の有効性を評価することができます。このナレッジはマーケティング戦略策定をガイドし、適切なリソース配分を支援、ターゲットとする患者集団のニーズに合うように自社のオファリングを改善することに役立ちます。患者中心に注力することは患者に恩恵をもたらすだけでなく市場シェアの拡大にもつながります。

PCI を重視する企業は市場がますます患者中心に重きを置く中で、より良い組織と位置付けられ成功するでしょう。意思決定プロセスの中心に患者を置くことで製薬会社は新しい成長の機会を切り開き、自社が役に立ちたいと考える患者の生活に継続的な影響を与えることができるのです。

——————————-

Prospectionは、10年以上にわたり製薬会社のアナリティクスと営業・マーケティングチームにソリューションとサービスを提供してきました。同社独自の Patient-centric Intelligence Core はリアルワールドデータをインテリジェンスへと変換し、主力製品であるブランド管理プラットフォーム Prospection AI を含むさまざまなソリューションの基盤となっています。

患者中心のインテリジェンスが貴社のビジネスの中核となる方法をご覧いただきたいお客様はお問い合わせください

Related Resources