AIとGPTは誰が必要とするのでしょうか?製薬企業の営業・マーケティングチームです。

製薬の製品を担当するチームは、戦略策定に必要な患者に関するインサイトを迅速かつ容易に入手する必要があります。ProspectionのProGPTのようなAIアシスタントは、セルフサービスでの分析業務を可能にし、時間を節約し、データ投資からの価値を引き出すことができます。詳しくは記事をご覧ください。

製薬会社の製品および営業・マーケティングチームが直面している課題の1つは、製品の上市、長期計画また製品の継続的な管理と成長に関する意思決定のためにリアルワールドデータ(RWD)を豊富に有する一方で、インサイトへのアクセスには手間がかかり複雑さを伴い、それが可能なのは一部のチームメンバーに限定されるのが多いということです。

ライフサイエンスに関わる多くの組織が患者を主体として考えられた知識・情報(PCI: Patient Centric Intelligence)の利用に必要な能力を向上させ、データアナリティクスと人工知能(AI)の成熟度モデルの高度な段階へと迅速に変化している中、製品担当マネジャーや担当リーダーたちが自らデータに直接当たり必要な回答を得るという段階にはまだ至っていません。実際のところペイシェントジャーニーが市場シェアに与える影響(ケア・アンド・シェア)を理解する際に、彼らが見落としがちなことがあります。これは組織においてデータ分析が一方通行的であるという特性に起因しています。インサイトは主に単体で取り扱われることに止まり相互の関係性をもって語られることがないものとなります。この重要なビジネス情報のフローが制限されているということが、ケア・アンド・シェアの関係を全体感を持って理解した上で先を見越した戦略を形成する能力を発揮する際の妨げとなっているのかもしれません。

製薬に関連したインサイト:専門性とリソース配分の制約を乗り越える

ライフサイエンスに関わる組織は自社の製品戦略や個別のアクションに対し製品担当チームがより良い意思決定をできるよう支援しますが、それを可能とするためにはタイムリーに適切な情報を提供する最新の方法が必要です。事業部門は多くの仮説を持っています。現在のビジネスにおいてはそれらに対し迅速に回答を得られるような力を有する必要があります…質問が基本的なものであろうと洗練されているものであろうと関係ありません。

正しく事が行われれば、治療を必要とする患者を適切な時期にその治療に導くことができ、ケアのアウトカムを改善し、それにより市場での自社製品のパフォーマンスを向上させることができます。

では、インサイトを広く容易に利用できるようにしようという現在のビジョンを妨げているものは何でしょうか。現在の社内インフラストラクチャはどこからも引っ張りだこのアナリティクス専門家に極度に依存しており、利用可能なリソース確保に限界がある中でインサイトを大規模かつタイムリーに提供することは難しいのです。

専門性

  • 生データからインサイトを引き出す際に専門家の知見を活用しなければ、そのデータはほとんどあるいは全く有用なものになりません
  • データアナリティクスチームと事業部門がサイロ化されていたら、適切なインサイトを引き出すために複数回にわたり互いの理解が正しいことを確認する作業が必要になります
  • アナリティクスとレポーティングのツールが目の前にあっても、それらは得てして使い勝手が悪く、アナリティクスの専門知識がかなり必要です

リソース配分

  • データを有効活用するための社内リソース(ビジネスインテリジェンス(BI)およびアナリティクスチーム)は限られており、しばしば仕事の優先順位付けに苦慮します
  • 優先度の低い製品に対しては社内アナリティクスチームを使用する必要性を理解してもらえず予算が当てられないことがあります。一方、優先度の高い製品でも社内アナリティクスチームでは十分なインサイトが得られないかもしれません
  • 外部のコンサルティングサービスを利用することも可能かもしれませんが、費用がかかり予算を圧迫し、時間が相当かかるかもしれません

ここ数年、ここで取り上げた専門性とリソース配分の課題を解決するためのソリューションが登場しています。以下にいくつかの例を挙げます。

  • 大規模なデータ変換:これによりデータの品質と使い勝手が大幅に向上し、データのハーモナイゼーションとその価値の強化によりアナリティクスチームが分析対象データを準備するために必要な作業量が減少しました
  • アナリティクス専門性の内製化:BIおよびアナリティクスチームは規模のみならず利用のしやすさという点でも広がりを見せています。これは大企業のみに見られることではありません
  • SaaSでインサイトを得るソリューション:事業部門は事前設定されたインサイトダッシュボードにアクセスできる全社ソリューションを取り入れてきています

しかし、製品を担当したり、患者にとっての最適なアクションに関する情報を医療者に提供したりするチームによる現場の第一線でのデータ活用はまだ初期段階にあります。経営陣はデータを利用する姿勢を示し、データの獲得を支援しアナリティクスチームには予算を割り当て、PCI(患者を主体として考えられた知識・情報)は自社のデータに基づく戦略の一部であるとしてリアルワールドデータが利用されていることを株主に報告できるようになりました。

そうは言うものの私たちが話をするリーダーの多くはリアルワールドデータをビジネス上の課題に適用することには限界があると認識しています。これはデータそのものに起因することではありません。詰まるところはアナリティクスソフトウエアツールがビジネスユーザーにとっては複雑であり、営業・マーケティングチームのデータリテラシーには限界があるため自分たち自身でデータを深く検討できないことが原因です。

課題への取り組み:生成AIの活用

実際の行動へとつながるインサイトを得るために専門性とリソース配分に伴う障壁を乗り越えようという製薬業界の取り組みを私たちが見ていく中で、生成AIを活用するChatGPTや他の大規模言語モデル(LLM)が大きな助けとなっていることがわかりました。これらの技術については多くの方たちが聞いたことがあるでしょうし、特にヘルスケアにおいて重要な機会を提供することは知られています。

約2年前、Prospectionは自社のヘルスアナリティクス意思決定プラットフォームの最新バージョンを導入しました。この進化版の製品は製薬会社のお客様向けにリアルワールドエビデンス(RWE: Real World Evidence)に基づくインサイトを10年以上にわたり成功裡に提供してきた経験を踏まえ構築されました。このコア製品の進化は製薬会社の営業・マーケティングチームが自社のリアルワールドデータに対する投資から実用性の高い価値を迅速に引き出すことができるようにという明確な目的を持って着想されたものです。

ヘルスケアアナリティクスソフトウェアおよびコンサルテーションサービスを提供してきた長い歴史から私たちは製薬会社の製品担当チームが日々直面する課題を深く理解しています。私たちは個別の状況における患者、医療者、治療、および市場のダイナミクスに関する質問への一貫したニーズを見てきました。私たちの最近の取り組みはこの欠くことのできない要件を単純化することに焦点を当てています。「質問があります、答えが必要です!」という要求に対して、各個人のデータ利用に関する習熟度に関係なくPCIへのアクセスを大幅に拡大しています。ここに画期的な変化を見ることができます。ProspectionのLLM(Large Language Models)特にGPTアシスタントはデータに基づき推進されるビジネスを意味するところの変革へのシフトの先駆者となりました。

最近、私たちはGPTツールについてウェビナーでデモを行いました。次はGPTを活用したアシスタントにより、人とデータが相互に影響する仕事のやり方が変革される様子を見られる短いビデオです。

Prospection AIにより価値を明らかにする:患者を主体として考えられた知識・情報に関するお客様の自社製品に関する唯一の情報源

多くの製薬会社の営業・マーケティングチームは予測的及び処方的AIのみならず生成AIの活用に取り組むことでデータサイエンスやアナリティクスプロジェクトをより先進的なものとするように革新を図っています。AIが革新的なものであることに疑いはありませんが、患者ケアが市場シェアに与える影響を明らかにするような重要なインサイトを見つけ出し、理解するための時間を組織として削減することに対し、緊急性が高くかつ対処可能な機会というものが貢献していると認識しています。

「…患者ケアが市場シェアに与える影響を明らかにするような重要なインサイトを見つけ出し、理解するための時間を組織として削減することに対し、緊急性が高くかつ対処可能な機会というものが貢献している」

製品固有のキービジネスクエスチョンに関連づけられた使い勝手のよいGPTを備えたAIは、ギャップを埋め、当該ビジネスについて統一見解をもたらし、営業・マーケティング関連のデータに対する習熟度とインサイトへのアクセシビリティを向上させてくれます。

これが私たちの新しいセルフサービス型インテリジェンスプラットフォーム – 受賞歴を有するProGPTも活用可能であるProspection AI – ができることです。これは、製薬会社の製品のPCI(Patient-centric Intelligence:患者を主体として考えられた知識・情報)の唯一のソースであり、以下のインサイトを数秒で明らかにします:主要評価指標、市場のシェアと規模、事業の成長と損失、患者アドヒアランスとパーシスタンス、ペイシェントジャーニーと治療介入ポイント候補、関心を引く医療者/医療機関など。

Prospection AIは、製品担当チーム、アナリティクスチーム、営業・マーケティング部門の上位役職者に共通して利用可能なハブとして設計されており、それぞれが必要なものを必要な時に提供します。

製品担当チームに対し迅速に重要なインサイトを提供

  • 自社製品向けに準備された数十のキービジネスクエスチョンにCritical Insights Hubを介しお客様自身がアクセス、利用し、患者、市場に関する知識・情報を迅速かつ容易に得ることができます
  • 高度な学習を経た受賞歴を有するProGPTアシスタントを使用し、キービジネスクエスチョンに関するインサイトをさらに深掘りし、探求します
  • ビジネス上の意思決定力を強化するため、営業・マーケティングチームメンバーのデータ利用能力を向上させます

アナリティクスチームの時間と労力を解放

  • 営業・マーケティングチームに自身で活用可能な標準的なインサイトを提供することで、アナリティクスチームが自分達の時間を使えるようにします
  • アナリティクスチームをチャレンジングで高付加価値なアナリティクスプロジェクトに集中させます
  • 自社固有のビジネスクエスチョンやニーズに対応するようにレポートをカスタマイズする際にも追加設定無し、ノーコードツールを使いアナリティクス能力を強化します

患者データへの投資から最大限の価値を実現

  • 使い勝手のよいアウトカム志向のレポートとインサイトを利用し更なるインサイトへのアクセスを広げます
  • アナリティクスチームと営業・マーケティングチームを同じ患者レベルのデータのもとで同じ立場に立たせ、データに基づく意思決定のカルチャーを築きます
  • 営業・マーケティングチームに対し実行可能なアクションにつながるインサイトをタイムリーに提供することで、迅速な意思決定を可能にします

セキュリティと透明性:GPTを採用するための重要な要素

GPTを活用したソリューションの可能性は大きなものですが、組織としてはデータ保護のための厳格な基準を遵守、堅牢な暗号化手法を採用、関連規制に常に準拠するようなプラットフォームを選択すると理解しています。Prospectionはこのようなセキュリティ対策の最前線にあり、Prospection AI内でのGPTの採用に当たってはPCIのもたらすベネフィットをデータの完全性を損なうことなく迅速かつ容易に活用できるよう設計しています。

ProspectionによるProGPTの実装ではOpenAIのGPT4をプライベートかつ安全な環境で使用し、クエリを解釈した後に質問に対する回答を最適な形で提示できるようデータを可視化します。このアプローチでは匿名化され集計されたリアルワールドデータのみが閉じた環境でGPTとやり取りされます。ここでのデータは弊社独自のPatient-centric Intelligence Coreによりハーモナイズされ価値が高められたものであり、治療ラインやレジメンに関する情報が含まれています。

同様にProGPTアシスタントへの質問は限定された範囲内でのみ共有され、組織全体やより広い範囲で共有されることはありません。特定のチャットの文脈内のみでProGPTは会話全体の詳細を考慮しより良い回答を作成します。ただし、「憶える」という行為はこの範囲に留まります。会話はセキュアな形で扱われ、その後忘れられます。

行動を起こす時:AIによる変革と最適化

Prospection AI with ProGPTなどのユーザーにとって使い勝手のよいGPT技術を備えた単一ソースのPCIプラットフォームを採用することは、製薬会社の営業・マーケティングチームにとって、ケア・アンド・シェアについての統一見解をもたらす次のステップに踏み出す極めて重要な一歩となります。この移行は患者ケアの向上に取り組むことを意味するだけでなく、営業・マーケティングのパフォーマンスを最適化することも意味します。製品担当チームが日常用語でオンデマンドでデータに関する問い合わせをできるようになることで、データは数秒のうちに実行可能なアクションへとつなげることができかつ容易にアクセスできるインサイトへと変換されます。これにより、マーケティング戦略の精緻化が可能になり、活動状況の追跡とターゲティングの能力が向上します。ペイシェントジャーニーのあらゆる段階でGPTが発揮する能力により増強されたPCIの価値がますます明確なものとなります。これは患者の健康とビジネスの成功がシームレスかつ迅速に結びつく重要なポイントです。医薬に関する環境が変化し続ける中、イノベーションを推進し時間とリソースを最適な形で利用するためにAI革命を受け入れる人々が今後を主導していくことになるでしょう。

ProspectionのProGPT AIアシスタントは最近 Better Future Design Award for healthcare innovation(ヘルスケアイノベーションにおけるよりよい未来)という賞をいただきました。Prospection AI with ProGPTは現在一部のお客様に提供されています。ご興味がありましたらお問い合わせください。

昨年11月1日に開催されました Navigating the Future webinar(未来への舵取り)というウェビナーで、AI、アナリティクスの成熟度、そしてデータに基づくブランドマネジメントの未来について更にご覧ください。

Kirsten MannはProspectionの最高製品責任者であり、25年以上にわたり、製品マネジメント、ユーザーエクスペリエンス、製品開発の分野でテクノロジー業界で活動してきました。

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